手術の工夫
前方・後方アプローチ併用による椎体浸潤を伴う右第2肋骨原発肺尖部軟骨肉腫
篠原 義和
1
,
安樂 真樹
,
齋藤 範之
,
福元 健人
,
小林 寛
,
篠田 裕介
,
筑田 博隆
,
中島 淳
1東京大学 呼吸器外科
キーワード:
開胸術
,
胸骨柄
,
胸椎
,
胸部X線診断
,
腫瘍侵入性
,
脊椎腫瘍
,
軟骨肉腫
,
肺切除
,
背部
,
肋骨
,
胸壁
,
胸骨切開術
,
胸部CT
,
脊椎切除術
,
椎体
Keyword:
Back
,
Chondrosarcoma
,
Manubrium
,
Pneumonectomy
,
Neoplasm Invasiveness
,
Ribs
,
Spinal Neoplasms
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracic Vertebrae
,
Thoracotomy
,
Thoracic Wall
,
Sternotomy
pp.433-437
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016303748
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77歳男性。右背部痛を主訴に前医を受診、CTにて右第2肋骨を中心とした胸壁肺尖部腫瘍を指摘され、著者らの施設へ紹介となった。CTガイド下針生検にて肋骨原発軟骨肉腫と診断され、手術が施行された。術前の胸部CTでは右第2肋骨原発の腫瘍性病変は第2椎体と第1~2横突起、第1~3後肋骨近傍まで浸潤がみられた。そこで、前方アプローチ(胸骨柄部縦切開+右第1肋間前方開胸)と後方アプローチ(後側方切開)を併用して腫瘍摘出術を行ったところ、術後は創部とその周囲の疼痛による肩関節の可動域制限が認められたが、リハビリテーションを行なうことで、患者は術後46日目に自宅退院となった。尚、術前から認めた嗄声は術後一時的に悪化したが、術後4ヵ月程度で術前のレベルまで回復し、運動障害もほぼ軽快した。
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