発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236065
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70歳以上で腱板広範囲断裂に対し大腿筋膜パッチ法を施行した11例(平均73.8歳:A群)とMcLaughlin法を施行した13例(平均70.8歳:B群)の成績を比較した。手術法の選択は、手術中に変性部位を切除した後に腱板断端を前進させ、下垂位で断端を大結節間まで引き出すことができる症例に対してはMcLaughlin法を、不可能な症例または過度な緊張がかかる症例に対してはパッチ法を行った。明らかな受傷機転を認めたのはA群7例、B群8例で、受傷機転のない症例も多かった。罹病期間はA群平均23.7ヵ月、B群12ヵ月で、合併症は表層感染を各群1例に、再断裂をA群の人工透析例1例に認めた。JOAスコアは、A群で術前68.1点、術後最終診察時92.2点、B群はそれぞれ70.8点、94.5点で、両群間に有意差はなかった。高齢者に対するパッチ法は有効であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008