発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008012089
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症例1(59歳男)、症例2(66歳男)、右肩関節痛による上肢挙上困難を主訴とした。2例は右肩を強打し、他院にて保存的に治療されたが改善しなかった。当院受診時の日整会肩関節疾患治療成績判定基準(JOAスコア)は症例1で53点、症例2で45点であった。2例とも単純X線像で上腕骨頭の上方移動、肩峰骨頭間距離の狭小化、MRI T2強調画像では肩峰下面に広範な高信号域を認め、腱板広範囲断裂と診断した。少量の局所麻酔薬を肩峰下滑液包に注入したところ、疼痛は著明に軽減して上肢挙上が可能となった。手術所見では腱板断端が短縮して同定できなかった。大結節形成術を行い、2例とも術後経過は良好であった。それぞれ術後3ヵ月、術後10ヵ月のJOAスコアは89点であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007