上肢の外科 最近の進歩
肩関節疾患の治療 広範囲腱板断裂の治療 肩甲下筋腱断裂を伴う広範囲腱板断裂の治療 上腕二頭筋長頭腱パッチ法
畑 幸彦
1
,
石垣 範雄
,
中村 恒一
,
村上 成道
,
小林 博一
,
加藤 博之
1信州大学医学部附属病院 リハビリテーション部
キーワード:
医学用イラストレーション
,
肩関節
,
関節可動域
,
腱
,
肩甲筋
,
腱損傷
,
MRI
,
回旋筋腱板
,
治療成績
,
筋力増強訓練
,
上腕筋
,
肩腱板損傷
Keyword:
Rotator Cuff Injuries
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Medical Illustration
,
Shoulder Joint
,
Tendon Injuries
,
Tendons
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Rotator Cuff
pp.77-80
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009019953
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広範囲腱断裂は手術的治療に難渋し、術前MRIで断裂の長さ・幅がともに4cmを超える場合には一期的な手術は不可能であるとの報告もある。さらに肩甲下筋腱断裂を伴うと修復不能になる可能性がますます高くなる。著者等はこのような症例に対して以前から、McLaughlin法に上腕二頭筋長頭腱パッチ法(信原法)を併用する方法で治療してきた。この術式は広範囲腱板断裂修復の可能性を広げただけでなく、小切開による経肩峰皮膚切開(transacromial approach)を組み合わせることにより、他の術式より短時間で簡便な腱板修復が可能となった。その手術方法を紹介し、治療成績を報告した。本法を施行し術後2年以上経過観察しえた120例の成績は、JOAスコアが術前平均72.6点から術後92.2点に改善し、Gerber lift-offテストでは術前全例「weak」であったものが術後2年時には全例「powerful」となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008