発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236066
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関節鏡を用いて関節固定術を施行した母指手根中手関節症3例3指(女・平均50.7歳)の成績を報告した。内訳は全例左指、Eaton分類stage 3が2例、stage 2が1例で、装具などの保存的治療を4~6ヵ月施行していた。手術適応は、保存的治療に抵抗する疼痛があり、強いつまみ動作や早期職場復帰を希望する症例とした。手術手技は、シェーバーなどで関節デブリドマンを行った後、関節を徒手的に整復して関節固定角度を決定し、X線透視下にDTJスクリューの径1.2mmのガイドワイヤーを経皮的にcriss-crossに穿刺してその後小皮切を加え、DTJスクリューを刺入する。術後はギプス固定を4週間行い、その後4週間装具装着とした。術後経過観察期間6~16ヵ月で、骨癒合は全例に得られた。握力は健側比88~94%、キーピンチ力は87~99%と良好な回復が得られた。疼痛は全例消失し、橈骨神経浅枝の刺激症状などの合併症は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008