発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006304463
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症例1:69歳男.転落により右肩を打撲し,挙上困難となった.MRIで腱板広範囲断裂を認め,上腕骨頭内には巨大な嚢胞腫が存在した.1年以上保存的治療を行ったが,JOAスコア53.5点と成績不良で手術を行った.棘上・棘下筋は全層断裂で,棘上筋の腱性成分はほとんど消失し,肩甲下筋・小円筋の部分断裂,二頭筋長頭腱の完全断裂も認めた.大腿筋膜を6×12~14cm採取して二つ折りにし,前進させた棘上・棘下筋を挟みこむようにバイクリル糸で縫着した.骨嚢腫部分にはβ-リン酸三カルシウムを埋植した.術後1年で一部再断裂を認めたが,JOAスコアは69.5点と改善した.症例2:62歳男.転倒により左肩を打撲し,挙上困難となった.保存的治療で関節可動域は改善したが,疼痛,筋力低下は持続し,JOAスコアは64.5点であった.手術所見で断裂は棘上・棘下筋の全幅にわたり,肩甲下筋腱も上1/3程度断裂していた.症例1と同様の手術を行い,1年後の所見で再断裂はなく,JOAスコアは83点であった
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