発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233803
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踵骨骨折治療後に遺残痛を有する5例5足を対象に、鏡視下距踵関節デブリドマン(ATCD)を施行し、その治療成績を検討した。調査方法は直接検診或いは電話アンケートによる後ろ向き研究とした。Sanders分類ではtype IIAが3例、IIBが1例、IICが1例であった。治療については、当院手術例が2例で、いずれも関節鏡視下経皮ピンニングであった。当院保存的治療例は1例、他院での保存的治療例は2例であった。ATCD直前のCT評価では不適合性なしが1例、軽度が1例、中等度が2例、高度が1例であった。関節面の不適合性がなし、軽度及び中等度であった4例は、いずれもMaxfield分類でATCD前よりも1ないし2段階改善した。更にATCD前を10とした数値的評価スケール(NRS)では、ATCD後1~3.5と著明に改善した。一方、関節面の不適合性が高度であった1例はATCDの効果は殆どなく、Maxfield分類で不可が不可のまま、NRSは10から9であった。NRSの平均値はATCD前が10(全例)、ATCD後が3.7(1~9)であった。自覚的な疼痛の程度は有意に改善していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008