発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146472
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73歳男性。患者は左臀部痛が左下腿外側まで拡がって増悪し近医を受診、薬物療法や物理療法を受けるも改善せず、著者らの施設へ紹介となった。所見では左下腿外側から足背内側に知覚鈍麻を認め、L5神経根症状を呈していた。X線ではL5椎体の骨棘形成とL4/L5椎間腔の狭小化がみられ、MRIではL4/L5椎間板レベルに軽度の脊柱管狭窄がみられた。更に脊髄造影後CTではL5椎体左側の骨棘とS1上関節突起腹側の骨棘を認め、神経根造影では左L5神経根造影時に症状の再現性とL5神経根の横走化、椎間孔外での狭窄を認めた。また神経根造影後のCTではL5神経根が椎間孔外でS1上関節突起腹側の骨棘によって圧迫されていた。以上、これらのことからL5神経根症状はこの骨棘によると考え、手術にてS1上関節突起腹側の骨棘を切除し、L5神経根の圧迫を解除した。その結果、下肢痛は速やかに消失し、術後18日目に患者は退院となった。尚、目下、約5ヵ月経過で日整会腰痛治療成績判定基準は術前の15点が24点に改善した。
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