臨床室
肩甲骨関節窩後上方に有痛性骨棘を生じたテニス選手の投球障害肩の1例
酒本 佳洋
1
,
井上 和也
,
田中 康仁
1奈良県立医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
肩関節
,
関節鏡法
,
MRI
,
スポーツ障害
,
X線CT
,
テニス
,
運動選手
,
骨棘
,
肩甲骨関節窩
,
投球障害肩
Keyword:
Arthroscopy
,
Athletic Injuries
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Shoulder Joint
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Tennis
,
Osteophyte
,
Athletes
,
Glenoid Cavity
pp.30-33
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169991
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症例は19歳の男子テニス選手で、右肩関節前方の疼痛および棘上・棘下筋付着部の疼痛を主訴とした。CTで右肩関節窩後上方に骨棘を認め、先端には剥離骨片と思われる小骨片が存在した。MRI T2強調画像で上腕骨頭後上方にはkissing lesionと思われる骨髄内輝度変化がみられた。体幹・下肢の柔軟性改善、肩甲帯の機能改善目的で理学療法を開始したが、15ヵ月後も疼痛が残存した。また、後方骨棘部に対するエコーガイド下キシロカインテストが陽性であったため、関節鏡視下に骨棘切除術と後方関節包解離術を施行した。術後3ヵ月で骨棘の残存および再発は認めず、テニス復帰を果たした。また、JSS Shoulder Sport Scoreは術前70点が術後6ヵ月で90点に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014