発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007323767
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仙骨疲労骨折(SSF)例をその誘因から分類、検討を加え、文献的考察を行った。MRIまたはCTで仙骨に骨折像を確認しSSFと診断した24例と、T1強調画像で低信号域またはT2強調画像で高信号域を認めてSSFを強く疑った2例を対象とした。誘因から4群に分類した。体幹の荷重は下肢から骨盤に伝達された床反力と仙骨において折衝し、過度な運動時に仙骨翼の骨梁が圧潰され、骨硬化像を呈した。骨梁が少ない骨粗鬆症例では、荷重や床反力の伝達ができず、仙骨へ剪断力として働いた。妊娠産褥期例や恥骨骨折、恥骨結合不安定がみられる症例では骨盤輪の不安定な状態下で荷重がかかることによって仙骨を離断させる力が働いた。仙腸関節部痛を訴える妊娠産褥期の女性や長距離走者には高率にSSFがみられ、診断にMRIが有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007