発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146471
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74歳女性。患者は9ヵ月前にL5圧迫骨折の既往があった。今回、左臀部から下肢の疼痛、しびれで近医を受診、MRI上でL5椎体内から脊柱管内へ突出する腫瘍が指摘され、著者らの施設へ紹介となった。所見ではX線でL5椎体高の軽度減少がみられ、CTで骨硬化性病変と虫食い状の溶骨性病変の混在、MRIでL5椎体後方から脊柱管内へ張り出した腫瘍が確認された。明らかな原発巣を疑う所見はなく、開窓術を含めた切開生検を行ったが、確定診断に至らなかった。根性疼痛は軽快したため経過観察としたが、約4ヵ月後に椎体の圧潰による腰痛、左下肢痛の再燃で再受診となった。後側方固定およびインストゥルメンテーションを行った際に両側椎弓根より生検を行い、椎体内から黄褐色で充血した組織が採取できた。そっして病理所見よりびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、リツキシマブを含めたR-THP-COP療法を8コース行い、施行後1年経過で局所再発は認めず経過は良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008