発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060709
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58歳男。主訴は腰痛。半年前より急性骨髄性白血病を発症し化学療法を施行されていた。血液検査では汎血球減少および炎症所見を呈し、MRIではL2/L3椎間板および両椎体にT1強調像で低輝度、T2強調像で高輝度を呈する部位を認め、両側腸腰筋への炎症の波及も考えられた。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による胆嚢炎・肝膿瘍の既往があることから、MRSAを起炎菌とする化膿性椎間板炎の診断で1週間塩酸バンコマイシンの点滴静脈注射後、二期的手術的治療を選択した。初回手術で後方インストゥルメンテーションを行い、腰痛の著明な改善と血液検査上炎症所見の改善を認めたため、初回手術より24日後に腸骨を用いた腰椎前方固定術を施行した。いずれの手術も術中、術後合併症を認めず経過良好であった。再手術後3週で芽球の増加を認め化学療法開始となったが感染の再燃は認めず、術後1年現在骨癒合も得られ経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007