発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060708
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38歳女。1年前より出現した体動時の腹痛を主訴とした。その後両足趾のしびれが出現し、両下肢脱力のため歩行困難となった。MRIではTh10レベルの硬膜内左側にT1強調像で低輝度、T2強調像で高輝度の陰影を認め、造影MRIで強い造影効果がみられた。腰椎穿刺による上行性脊髄腔造影ではTh10/Th11で完全ブロックを呈し、造影剤注入時に腹痛の再現が認められたため、体動時の腹痛はTh10レベルの硬膜内髄外腫瘍が原因であると判断し、手術を施行した。腫瘍はTh11左後根由来で脊髄を右前方に強く圧排し、病理診断は神経鞘腫であり、Antoni分類pattern Bを呈していた。術後すみやかに腹痛は消失し独歩可能となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007