発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008012095
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症例1(40歳男)、症例2(50歳男)、左アキレス腱部の疼痛、歩行困難を主訴とした。いずれも剣道歴は長かった。症例1では5年前より左アキレス腱の疼痛や腫脹を自覚していた。単純X線では左アキレス腱の腱体内に骨化巣、左踵骨アキレス腱付着部に骨棘形成を認めた。手術所見ではアキレス腱は骨化巣の遠位端で完全断裂していた。骨化巣とその周囲の腱組織を一塊として切除し、腱縫合術を行った。術後は可動域訓練などを行い、術後3年の現在、疼痛や可動域制限はなく、剣道に復帰していた。症例2は高尿酸血症で内服コントロール中であり、剣道の稽古中に左アキレス腱を断裂した。この際、他院の単純X線にて腱体部骨化巣を認めたが、摘出せずに腱縫合術が施行された。9年後、稽古のたびに左アキレス腱部に腫脹と疼痛を自覚するようになった。単純X線では腱体部に骨化巣3個、左踵骨アキレス腱付着部に骨棘形成を認めた。骨化巣を切除し、踵骨骨棘にanchor holeを作成してアキレス腱の近位断端を引き寄せて縫合した。術後の後療法を行い、術後1年の現在、疼痛や可動域制限はなく剣道は指導のみを再開した。単純X線では術後4ヵ月より腱体部に新たな骨化巣が出現していた。
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