発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148696
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43歳女.バレーボールの試合中に受傷し,左下腿後部痛が出現した.左下腿遠位後面はび漫性に腫脹し,アキレス腱踵骨付着部から下腿後面近位まで広範囲にわたり圧痛を認めた.足関節の自動底屈は疼痛のため不能であり,Thompson-Simmonds squeeze testは陽性であった.超音波断層所見では足関節背屈位で明らかなギャップはなく,足関節底屈位では腱が波状に撓んで描出された.MRI所見では,T1強調画像でアキレス腱は踵骨付着部の近位で連続性が不明瞭となり,出血と思われる輝度変化を示していた.腱断裂によるアキレス腱の機能不全と考え,受傷後3日目に手術を行った.術中所見ではアキレス腱は浅層と深層の間で断裂し,二枚おろしの様相を呈して縦断裂していた.断裂アキレス腱の浅層部は筋腱移行部において,深層部は踵骨付着部近傍において各々断裂していた.アキレス腱縦断裂の報告は,渉猟し得た限りでは4例のみであった
©Nankodo Co., Ltd., 2004