発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008012088
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71歳女、左胸鎖関節部痛を主訴とした。自転車で転倒して左肩を打撲受傷した。初診時、左鎖骨近位端に腫脹、圧痛を認め、左上肢の運動時痛に伴う左肩関節の可動域(ROM)制限を認めた。単純X線では鎖骨近位部の骨折と胸骨鎖骨第1肋骨の癒合を認めた。三角巾固定を行ったが受傷5日後に骨折部上方の開大と疼痛の増強を認めたため、中空海綿骨螺子による経皮的骨接合術を行った。後療法として4週間の肩関節外転位固定、肩のROM訓練を行い、術後5ヵ月で骨癒合を得た。しかし、術後6ヵ月時に植木鉢を持ち上げた際に左鎖骨部の疼痛が出現し、単純X線にて螺子の先端部での骨幹部骨折を認めた。再手術を行ったところ、螺子先端の骨折部周囲は骨硬化しており、硬化部を掻爬してプレートによる固定を施行した。再手術後1年の現在、特に疼痛なく骨癒合が得られ、左肩関節ROMも良好に回復していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007