発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003308691
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1989年5月から2000年3月に急速に進行する脊髄麻痺症状にて発症した胸椎腫瘍の男性10例,女性5例の計15症例を対象に発症から2日以内に手術を施行した場合の術後歩行能力の回復要因について検討を行った.手術時年齢は48~85歳,平均64.9歳で,術後観察期間は3~30ヵ月,平均13.1ヵ月であった.腫瘍は,肺癌骨転移3例,多発性骨髄腫3例,前立腺癌骨転移2例,肝癌骨転移2例,悪性リンパ腫1例,悪性粘液腫1例,平滑筋肉腫1例,横紋筋肉腫の骨転移1例,不明1例であった.手術は椎弓切除術が7例,椎弓切除術+後方インストゥルメンテーションが8例で,術後の病巣への放射線治療は11例に施行した.術後歩行可能となったのは4例で,これらの4例は術中に胸椎後彎を矯正した症例であったことから,脊髄徐圧を目的として緊急手術であっても病巣部の後彎を矯正することは術後の患者の歩行能力の向上に重要であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2003