発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008091685
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症例は28歳男性で、右背部痛が出現した。他医にて胸椎椎間板ヘルニアと診断され、半年以上の内服加療を行ったが、効果はなかった。疼痛は体動や咳で増強し、夜間痛もみられた。胸椎ミエロCTでは、Th6右横突起に腫瘍陰影を認めた。骨シンチグラムでは、Th6右横突起に一致して限局性の異常集積を認めた。MRIを再見したところ、撮影時に確認したTh6/Th7椎間板右側のヘルニアによる圧迫所見に加え、T1・T2強調画像で低信号の腫瘍陰影を認めた。Th6右横突起直上に小切開を加え、マイクロ下に腫瘍を切除した。腫瘍は8×7mmで、核分裂や異型性のない骨芽細胞に縁取られた多数の類骨と血管に富んだ結合織の増殖がみられた。Th6右横突起に発生した類骨骨腫と診断した。術後2年現在、再発はない。この症例はMRI T1・T2強調画像が低信号であったが、Th6/Th7椎間板右側のヘルニアにより病巣の存在が見逃されたと考えられ、診断には骨シンチグラフィー、CTが有用であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008