発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007291640
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高齢者の大腿骨転子部骨折28例29関節(男性5例、女性23例、平均年齢85歳、骨折型はEvans分類type1のgroup1~4)に対しHanssonピンによる150°強斜位固定術を行い、術後の成績と刺入角について検討した。その結果、1)手術時間は平均41分、出血量は微量で、術後Hanssonピンの刺入角度は平均148°で、荷重歩行開始平均日数は11.3日であった。2)術後観察期間は平均23週で全例骨癒合が得られ、ピンの骨頭穿孔や皮下への逸脱など合併症もみられず、良好な経過が得られた。3)骨癒合に関するピンの刺入角と骨折面に加わる力の関係について、ピンの刺入線と重力線がなす角度をα角、骨折面と重力線とのなす角度をγ角として力学的計算を試みた結果、固定釘の最適な刺入度は骨折面の傾斜角によって定まることが証明された。4)本症例では、骨癒合時のα角は平均30.5°、γ角は平均30.9°と、両者はほぼ等しく、全例に良好な結果を得ることができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007