発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007226689
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
対象は6例6指(男性3例、女性3例、年齢23~63歳)で、全例挫滅損傷であった。3例は受傷時骨折部を観血的に整復し遠位指節間(DIP)関節を含めてKirschner鋼線で固定した(鋼線固定群)が、3例は軟部組織を修復しアルフェンスシーネによる外固定のみとした(組織修復群)。仮骨形成が得られなかった2例を除く4例は、受傷後4~6週のX線像で骨吸収や転位が判明した。偽関節手術は受傷後32~90日に行い、鋼線固定群は自家骨移植の追加を、組織修復群は骨折部の鋼線固定と自家骨移植を行った。偽関節手術後は平均40日で全例骨癒合が得られ、感染で強直した1例を除く最終調査時のDIP関節可動域は鋼線固定群(45.0°)が組織修復群(18.3°)に対し優れていた。手指末節骨骨幹部開放骨折の初期治療は軟部組織の修復だけでなく骨折部の固定を追加するほうがよい。
©Nankodo Co., Ltd., 2007