発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007184475
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骨粗鬆症に対するビスホスホネート(BP)製剤による治療において、治療薬選択および薬剤効果判定に有効な骨代謝マーカーについて検討した。原発性骨粗鬆症と診断された60歳以上の女性20例にBP製剤を投与し、骨吸収マーカーおよび骨形成マーカーを経時的に測定した。その結果、治療薬投与開始時における骨代謝マーカー値がカットオフ値以上の症例は、尿中デオキシピリジノリン(DPD)75%、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド(尿NTx)90%、血清中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド(血清NTx)45%、血清骨型アルカリホスファターゼ(BAP)65%であった。治療薬投与後、各骨代謝マーカーで最小有意変化(MSC)以上を示した症例は、血清NTxでは3ヵ月で80%以上認め、6ヵ月でやや減少していた。DPDおよび尿NTxでは3ヵ月で50%以下、6ヵ月で65%であった。BAPでは1ヵ月で15%であったが、3ヵ月および6ヵ月で80%であった。骨粗鬆症の治療効果判定において、より早期に治療薬の効果を評価できる骨代謝マーカーは非常に有用な手段であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007