高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に対する治療 骨折予防の薬物療法 骨粗鬆症に対する薬物治療 服薬コンプライアンスあるいはアドヒアレンスの検討
大谷 晃司
1
1福島県立医科大学 整形外科
キーワード:
Calcium Carbonate
,
Diphosphonates
,
Etidronic Acid
,
患者コンプライアンス
,
光子吸収分析
,
骨粗鬆症
,
Alendronate
,
Risedronic Acid
,
患者アドヒアランス
Keyword:
Risedronate Sodium
,
Calcium Carbonate
,
Diphosphonates
,
Osteoporosis
,
Patient Compliance
,
Etidronic Acid
,
Absorptiometry, Photon
,
Alendronate
,
Medication Adherence
pp.292-296
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055178
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骨租髭症の検査を行い、検査後に薬物療法が開始された648例を対象に、骨粗鬆症に対する薬物治療、特にビスホスホネート製剤の服薬コンプライアンス、或いはアドヒアレンスに関する因子について検討した。ビスホスホネート製剤は、エチドロネートが473例、アレンドロネートが66例、リセドロネートが15例に投与されていた。治療の継続性からみたコンプライアンス或いはアドヒアランスは、投与開始後1ヵ月では91.1%、3ヵ月では85.7%、6ヵ月では78.4%であり、1年の時点では72.7%であったが、なんらかのかたちで骨租鬆症に対する薬物の服薬を続けていた。初回投与後2年以上経過した584例では、63.3%がなんらかのかたちで服薬を継続していた。骨粗鬆症の薬物治療が1年以上継続した群と1年以内にドロップアウトした群について、各種因子の差異に関して検討した結果、統計学的に有意差を認めた項目は骨折既往の有無と、治療開始時の医師であった。また、治療の継続性に関してまとめると、骨粗鬆性の骨折の既往といった骨租鬆症の治療が必要と考えられる例はむしろ継続がわるく、初回投与した医師によって治療継統率が異なっていた。ビスホスホネート製剤別の投薬の継続性を検討した結果、1年以上の投薬が継続された割合は各群間に有意差を認めなかった。また、初回投与薬剤が1年以内に中止になった理由を検討した結果、各薬剤とも、1年以内に中止になった主たる理由は患者の自主的な通院中断であった。
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