臨床室
頚椎回旋時に激痛を生じた関節リウマチに伴う環軸椎亜脱臼の1例
二川 隼人
1
,
関 庄二
,
川口 善治
,
牧野 紘士
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
回転
,
環軸関節
,
関節リウマチ
,
頸椎
,
骨ねじ
,
MRI
,
神経根症
,
脊髄疾患
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
外科的減圧
,
三次元イメージング
,
椎弓形成術
,
環軸椎不安定性
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Bone Screws
,
Atlanto-Axial Joint
,
Cervical Vertebrae
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiculopathy
,
Spinal Fusion
,
Rotation
,
Spinal Cord Diseases
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Decompression, Surgical
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Laminoplasty
pp.1335-1338
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015090929
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症例は71歳女で、関節リウマチのため加療中であったが、後頸部痛出現後に左手のしびれを自覚し、増悪傾向となった。頸椎左回旋時に右三叉神経第3枝領域と、右C2領域に疼痛を認め、頸椎X線では環軸椎亜脱臼・垂直脱臼を呈していた。CTでC4/C5レベルに限局型の後縦靱帯骨化症を、MRIではC3/4、C4/5レベルで脊柱管狭窄を認めた。三次元CTでは頸椎右回旋時には開大している右C2神経根の出口が、左回旋時にはC1/2間の異常な可動性により狭窄していた。頸椎左回旋時の右C2神経根障害と下位頸椎レベルでの狭窄に伴う脊髄症と診断し、環軸椎脱臼に対して後頭骨頸椎間固定術を、下位頸椎狭窄に対しC3~C7椎弓形成術を施行した。C2神経根出口の狭窄は軽度で、C1/C2間のスクリュー間を開大し間接的な除圧・固定を行った。術後頸椎回旋時の後頭部痛は著明に改善し、6ヵ月経過して再発はない。
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