発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007085022
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85歳女。転倒後出現した右股関節痛を主訴とした。右股関節は強い安静時痛を訴えていたが、左股関節は他動的屈曲・伸展にて運動時痛を認めなかった。単純X線両股関節正面像は両側とも外旋肢位で撮影され、右側の大腿骨頸部内側骨折(Garden分類stage IV:Ga.IV)を認めたが、左側の骨折線は明らかでなく、Lauenstein像は右側のみ撮影されていた。以上より、右大腿骨頸部骨折と診断したが、尿道カテーテルの留置する際、左股関節の開排位で左股関節痛が誘発され、両側下肢中間位および内旋位の股関節正面像と左側Luenstein像により外転嵌入型左大腿骨頸部骨折(Garden分類stage I:Ga.I)が明らかになった。入院4日目に左側Ga.I骨折に対し骨接合術を施行し、次いで右側Ga.IV骨折に対し人工骨頭置換術を施行した。術後2年11ヵ月経過して遅発性骨頭壊死は認めず、室内一本杖歩行が可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007