発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007085019
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
21歳男。強く咳き込んだ後に出現した右前頸下部の疼痛と嚥下時の異和感を主訴とした。頸椎単純X線側面像では、軸椎~C7の頸椎前縁に沿って薄い透亮像を認め、これと気管の間に椎体の前縁に並行して境界明瞭で幅の狭い組織を軸椎~C4に認めた。MRIでは頸椎椎体の前縁に沿って前後幅の薄い無信号域を認めた。翌日のCTでは椎体と気管の間や周辺の頸部皮下に空気を示す低吸収域を認め、縦隔にも気腫が認められた。消化管穿孔を疑わせる所見は認めず、病歴と画像所見から、縦隔気腫が頸部の皮下組織や椎体前面に入り込み頸部痛を引き起こしたと考えた。抗生物質および鎮痛薬にて保存的に加療した結果、第8病日には症状がほぼ消失し、頸椎単純X線側面像でも頸椎前縁に沿ってみられた透亮像は消失していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007