発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007226693
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
61歳男。激しい頸部痛を主訴とした。20年前より慢性咽頭炎の既往が疑われ、頸部の回旋は疼痛のため左右30°に制限され後屈も強い疼痛を伴った。血液検査で炎症反応は低かったが、頸部MRIで環軸椎周囲に軟部組織と思われる部位を、右上咽頭部には粘膜下膿瘍と思われる径6~7mmの組織を認め、周囲の軟部組織は肥厚していた。環椎レベルのCTでは歯突起尖端より右側の骨化病変と環軸椎関節骨表面の不整を認め、慢性の炎症の存在が疑われた。頸部カラー着用の上、硫酸セフピロムの静脈内投与を開始した結果、10日後にはCRPが陰性化して頸部痛も消失した。その後は咳・微熱が間欠的に出現し消炎鎮痛薬や経口抗生物質の投与を繰り返した。初診より5ヵ月後の頸部MRIでは、右上咽頭部膿瘍は消失し咽頭炎の改善を認めたが、環軸椎周囲の軟部組織病変は存在していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007