発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140057
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高周波メスPAL-IEMF system(PAL-I)の各組織に対する電気生理学的・組織学的な影響を検証し,臨床応用での効果を検討した.成兎による実験では電極接触部の硬膜全層に熱性凝固変化を生じ,脊髄(出力30W時)ではやや深部への影響と脊髄誘発電位(SCEP)で波形の変化を認めたが,脊髄(出力15W時),筋肉,大腿動脈,大腿神経への影響は深部へは及ばず表面のみであった.臨床的には神経鞘腫,石灰化を除く髄膜炎,神経線維腫などの脊髄腫瘍や椎間板に対して有用であったが,脂肪組織,靱帯組織,骨組織に対する効果は少なかった.PAL-1からピンポイントで放出された高周波エネルギーは吸収された組織で熱エネルギーとなり,組織を蒸散させた後は急速に減衰・消滅するため,脊髄前面や視野の確保が困難な部分でも安全に使用でき,マイクロ下での操作が容易なPAL-Iはより愛護的操作の要求される脊椎疾患とくに脊髄腫瘍に対して有効な一手段になると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005