発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076374
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1歳10ヵ月男児。患者は線路近くで遊んでいたが、列車通過後に線路脇で倒れているのを発見され前医に搬送された。軸椎歯突起骨折の診断で頸椎伸展位保持の安静臥床を6週間継続後、立位での左上肢の動きが悪かったため、受傷後13週目に著者らの施設へ紹介入院となった。所見では頸部の自動運動は低下していたが、仰臥位での両上下肢の運動制限はなかった。受傷時の前医でのX線では、Anderson分類でtype II、小林分類でIV型、歯突起前傾角(TAD)は40°であった。一方、入院時(受傷後13週)のX線ではTADは55°で骨折部の癒合は得られておらず、MRIでは骨折部での脊柱管の狭小化と脊髄の軽度圧排を認めた。受傷後15週時に全身麻酔下に可及的整復位を取り、halo装具固定を行った(TAD15°)。その結果、装具装着後16週で骨癒合を認め、装具を除去し、MRIでは癒合部での脊柱管狭窄は認められなかった。装具除去後22ヵ月経過現在、愁訴も他覚所見もなく経過良好であった。
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