発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076376
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56歳男性。患者は右小指のしびれで近医を受診、投薬では改善しなかったため、今回、著者らの施設へ紹介受診となった。所見では右肘は25°の外反射を呈し、右小指には知覚鈍麻が認められた。更に肘関節内側Osborne band部にはTinel様徴候が確認された。一方、X線では右変形性肘関節症と橈骨頭の亜脱臼を認め、筋電図では肘関節上下で運動神経伝導速度の遅延を認めた。変形性肘関節症に伴う肘部管症候群と診断し、本人の希望で経過観察としたが、約半年後、右環小指に強い疼痛と知覚障害、手内筋に運動神経麻痺が出現した。また、MRIでは肘関節内に水腫が、内側に約2cm大の腫瘤を認め、以上より神経内に発生したガングリオンと診断された。腫瘤摘出術を行った結果、術後11ヵ月経過で、しびれと環小指の知覚障害は残存しているものの、手内筋の麻痺は徒手筋力テストで3以上に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006