発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009314606
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31歳女。左手指のしびれ感、ふらつき感、両上肢の脱力感を認め、前医での髄内腫瘍の指摘により頸髄髄内腫瘍摘出術を施行され術後1ヵ月にリハビリテーション目的で紹介となった。両上下肢の筋力低下、両下顎部~両上肢の知覚低下、四肢深部腱反射の亢進および病的反射を認めJOAスコア13.5点であった。X線で20°の後彎を認めたがCTで手術高位の椎間関節の温存を認めた。頸部・四肢筋力増強訓練を行ったが術後4ヵ月に頸椎伸展位保持が困難となり首下がりが出現し、MRI横断像で頸半棘筋の萎縮と中央部の瘢痕化を認めた。2ヵ月間の保存的治療を行うが改善せず四肢筋力低下の進行、JOAスコアは11点に低下し、術後6ヵ月のX線の側面像で前方椎体間癒合による65°の高位後彎を認めた。C3~C5/C6間の骨棘切除と椎間板前方1/3切除による前方解離術を施行し、ハローベストで矯正を図った。頸半棘筋は萎縮し、瘢痕組織にてC2棘突起に付着していた。再手術後6ヵ月現在、後彎17°であるが首下がり症状はなく、四肢麻痺も改善してJOAスコア14点となった。
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