整形外科領域における移植医療
骨および軟骨に対する人工・生体材料、組織細胞移植の臨床成績 脊椎 ハイドロキシアパタイトセラミックス椎弓スペーサーによる頸椎椎弓形成術の中・長期成績
田中 信弘
1
1広島大学 大学院整形外科
キーワード:
セラミック
,
Hydroxyapatite
,
関節可動域
,
頸椎
,
整形外科固定具
,
脊髄造影
,
脊椎疾患
,
X線CT
,
マイクロサージャリー
,
治療成績
,
椎弓形成術
Keyword:
Ceramics
,
Cervical Vertebrae
,
Orthopedic Fixation Devices
,
Myelography
,
Microsurgery
,
Spinal Diseases
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Durapatite
,
Laminoplasty
pp.107-111
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2016081975
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連通性多孔体ハイドロキシアパタイトセラミックス椎弓スペーサー(IP-CHAスペーサー)を用いて片開き式頸椎椎弓形成術を施行し、術後5年以上経過観察し得た35例の中・長期成績を検討した。対象は男25例・女10例で、手術時年齢は平均64歳、術後観察期間は平均6年8ヵ月であった。その結果、全例で拡大椎弓は良好に保持され、拡大椎弓やヒンジ側の落ち込みや再狭窄は認めなかった。JOAスコアは術前平均10.5点から術後平均14.0点に改善し、平均改善率は58%であった。頸椎X線による平均ROMは、術前43°から術後1年時には34°へ改善し、最終調査時には32°を維持していた。術後1年以内に2個(2%)のスペーサー折損が生じたが、スペーサーの脱転や脊柱管内への干渉などの問題はなく、神経症状の増悪も認めなかった。スペーサーの癒合状況については、術後6ヵ月で41%、術後1年で66%、最終調査時には77%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015