発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006091346
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46歳女.発熱と右股関節痛を主訴とした.気管支喘息の既往,入院歴がある.3ヵ月前に右鼠径部膿瘍穿刺液より肺炎球菌を認めたため,近医にて抗生物質投与と外科的ドレナージを行った.初診時血液検査で炎症所見,X線,CT,MRIにて著明な右股関節変化を認め,骨シンチグラムにて右大腿骨頭壊死を認めた.股関節鏡による鏡視下滑膜切除術を行ったが,大腿骨壊死症に特徴的な所見は認めず,病理組織所見にて,軟骨組織に血管を伴う膠原性結合組織を認めた.術後26日目に観血的関節内掻爬・洗浄,観血的滑膜切除術を行い,病理組織学的所見にて絨毛状変化を認めた.約半年後,骨頭溶解所見を認め,観血的骨頭切除術と抗生物質混入骨セメント術を行った.ESRは急激に改善し,観血的骨頭切除術1ヵ月後よりCRPが陰性化,気管支喘息の発作緩解を認めた.約2年半後に人工股関節置換術を行い,術後3ヵ月現在,感染傾向は認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2005