発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036246
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70歳男.約5年前に尾骨脊索腫にて切除術を施行し,その後2回の再発に対し切除術を受けていた.加療目的で当院紹介受診し,手術巣に5×3cmおよび3×3cm大の弾性硬,表面平滑な無痛性腫瘤を触知した.単純X線側面像では,S5に溶骨性骨破壊像を認めた.MRIではS5下端および臀筋内に散在する再発腫瘍と,右内腸骨リンパ腫の腫大を認めた.しかし,骨シンチグラムでは病変部への集積はなく,胸腹部CTでも他臓器への転移はみられなかった.S1レベルでS状結腸を切断してリンパ節郭清を行い,腫瘍部から5cm離して臀筋,梨状筋を含め両側仙棘,仙結節靱帯と左側坐骨を一部つけて切除した.続いてS4神経根以下を切離し,仙骨をS3/S4間で切断して摘出した.切除断端には腫瘍細胞はみられなかった.術後2年9ヵ月を経たが明らかな再発転移はみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2005