発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004040303
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33歳女.12歳時,左副腎褐色細胞腫と診断され,左副腎摘出術を施行された.21歳時に高血圧を再度指摘され,右腎近傍の異所性褐色細胞腫と診断され,同病変を摘出した.26歳時に褐色細胞腫の胸椎および肝臓への転移を指摘され,胸椎腫瘤摘出術,肝部分切除術を施行された.今回,背部痛が出現,血圧が上昇し,褐色細胞腫の再発が疑われた.検査所見,画像検査所見よりノルアドレナリン産生悪性褐色細胞腫の胸椎転移再発と診断した.脊柱が不安定であり,その支持性をうるため,第6胸椎から第3腰椎まで後方除圧固定術を施行した.一方,腫瘍の根治的切除は困難であり,高血圧に対してはdoxazosin,bisoprololおよびmanidipineの3剤併用により降圧を図った.腫瘍病巣に対してはcyclophosphamide,vincristineおよびdacarbazineの3剤併用によるCVD療法を計5回施行した.CVD療法により血圧は低下し,血漿,尿中ノルアドレナリンの減少も認め,CVD療法は有効であったと考えられたが,腫瘍径は縮小していない
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