発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207569
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胆嚢癌切除例のうちD2以上のリンパ節郭清を要した73例(pT2:29例,pT3:16例,pT4:28例)を対象に,リンパ節転移様式について検討した.進行度別リンパ節転移頻度はpT2:51.7%,pT3:75.0%,pT4:82.1%であった.pT2症例のリンパ節転移個数別5年生存率は,転移が1個までは68.3%と比較的良好であったが,2個以上の症例では16.7%と成績不良であった.転移リンパ節個数別に再発形式を検討した結果,転移個数0および1の27例ではリンパ節再発は1例のみであったが,転移個数が2個以上になると半数以上の症例(14/25)がリンパ節再発した.リンパ節再発部位は,大動脈周囲リンパ節郭清の範囲外であるNo.16a2 lateroやNo.16b1 retrocavalまたはVirchowリンパ節であった.pT2症例のうち単一リンパ節転移陽性例ではリンパ節再発をきたした症例はなかった.以上より,リンパ節転移が2個以上の症例の治療成績は不良であり,今後はリンパ節郭清の個別化が必要で,胆嚢癌においてもsentinel node conceptの導入が望ましいと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2003