発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006036247
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53歳女.右肩関節の動作時疼痛と挙上時の引っかかり感を主訴とした.近医での保存的治療は無効で,夜間時疼痛のため睡眠前に非ステロイド性抗炎症薬と睡眠薬が必要であった.単純X線では肩峰と上腕骨頭間の棘上筋腱内に20×9mm大の石灰化病変を認め,肩関節は上腕骨頭下方亜脱臼を呈していた.Mini open法で病変を一塊として摘出し,摘出標本は乏血流組織で,石灰病変は軟らかく,圧するとつぶれる感覚であった.肩峰下腔面は正常腱に思われ,上腕関節面には白い粒が散見された.組織のHE染色では,正常腱内に全周性に線維軟骨層が存在し,線維軟骨層に連続してカルシウムを認めた.カルシウムに接する線維軟骨内には多核巨細胞が出現していた.術直後に夜間時疼痛は消失し,drooping shoulderは術直後X線像でも存在したが,徐々に亜脱臼は整復され,術後4週目には自然整復された
©Nankodo Co., Ltd., 2005