発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005275584
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症例1は56歳男で,フォークリフトと荷物の間に左足部を挟まれ受傷した.直後に近医受診し,X線検査で立方骨,第1楔状骨に骨折を認められ,翌日当科に紹介された.明らかな脱臼,骨折の偏位は認めなかったためギプスによる保存的治療を選択した.受傷18日後にX線検査で舟状楔状関節と踵立方関節の脱臼を認めたため手術を施行した.左足部背側に皮切を加え両関節を直視下に展開し,楔状骨脱臼を整復した.続いて第2・3楔状骨からKirschner鋼線を挿入し,舟状骨を通し距骨に固定した.さらに第1楔状骨骨折に対してdouble thread screw Japanスクリューを挿入した.術後4年の現在,第1楔状骨,立方骨の骨癒合は良好で,脱臼も整復されている.症例2は80歳男で,作業中,鉄板に左足部を挟まれ受傷した.X線検査で第1楔状骨骨折を伴うLisfranc関節脱臼および踵立方関節粉砕脱臼骨折を認め,緊急手術を施行した.挫滅が高度であったため固定にはKirschner鋼線のみを使用した.まずLisfranc関節を固定するために第2・3楔状骨関節を固定した.次いで,第1・2中足骨の固定,第3楔状骨と舟状骨の固定を行った.さらにChopart関節を固定するために第1中足骨・第1楔状骨・舟状骨を固定し,続いて踵骨と距骨を固定,最後に立方骨と踵骨を固定した.術後8ヵ月の現在,第1楔状骨の変形治癒と足関節の可動域制限を認め,歩行時痛が残存し杖・足底板が必要である
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