発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005275580
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60歳男.トラックの荷台から転落し左手を受傷した.X線検査により有鉤骨体部骨折を伴った第5手根中手関節(CM関節)脱臼骨折,第3・4中手骨基部骨折と診断し,手術を施行した.有鉤骨の骨軟骨片は粉砕しており,整復・固定は不可能と考えた.まず第5中手骨を整復位で有鉤骨とKirschner鋼線固定した.次に,第5CM関節の易脱臼性の原因である有鉤骨の骨欠損部に対し,第3中手骨基部の関節面を含んだ骨片を利用して骨軟骨移植を行った.第3中手骨基部の骨欠損部には橈骨から骨移植を行い,CM関節を含めてプレート固定した.これらの処置により第3・5中手骨が安定したため,最後に第4中手骨をKirschner鋼線で固定した.術後4週間は外固定を行い,その後理学療法を開始した.最終的に対立運動を問題なく行える状態まで回復した
©Nankodo Co., Ltd., 2005