発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005190833
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68歳男.背部痛,両下肢筋力低下を主訴とした.肺炎と診断され,CTガイド下骨生検でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を検出した.また,入院時はFrankel分類Cの麻痺であったが,徐々に進行し,約1週間でFrankel分類Aの完全下肢麻痺となった.MRSA化膿性脊椎炎の診断で椎弓切除術を行った.硬膜外腔は瘢痕組織にて著しく癒着し,術中採取した組織の培養ではMRSAが検出された.術後は抗生物質を投与し,感覚・筋力は徐々に回復し,術後1ヵ月でC反応性タンパクは陰性化,2ヵ月後には下肢の感覚はほぼ正常となった.麻痺の原因は,肉芽組織や癒着による物理的要因,感染部からの炎症物質と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005