発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004274708
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長管骨の化膿性骨髄炎41例を対象とした.罹患部位は脛骨22例,大腿骨13例,腓骨3例,上腕骨,橈骨,鎖骨各1例で,感染経路は無菌手術後が17例,開放骨折などの創が15例,血行性感染が9例であった.細菌が同定されたのは30例で,黄色ブドウ球菌が22例,MRSAは18例であった.MRSA例の治療法は,病巣掻爬後の骨欠損を血管柄付き腓骨移植術で再建が6例(A群),軟部組織状態不良のため病巣掻爬後遊離広背筋皮弁で再建が4例(B群),病巣掻爬のみが3例(C群),骨折治療後で骨頭やインプラント摘出が3例(D群),持続洗浄療法,開放療法が各1例であった.A群中1例は感染再燃で大腿切断に至った.B群の3例は感染鎮静化後遊離骨移植で骨欠損を再建し,他の1例は創外固定で骨癒合を得た.C群中1例には抗菌薬含有セメントビーズを併用し,後日遊離骨移植で骨欠損を再建した.D群中1例は癌転移の人工大腿骨再建例で,原疾患により死亡した.死亡例,大腿切断例以外の16例は感染の鎮静化を得た
©Nankodo Co., Ltd., 2004