発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154777
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6ヵ月女児.生下時からチアノーゼを伴う原因不明の強直性痙攣発作と誤嚥性肺炎があり,MRSA肺炎と診断されていた.今回,看護師が動脈血採血時に左下肢を外旋位に保持しようとしたところ,急速に左大腿部の腫脹をきたしたため整形外科紹介となった.初診時,単純X線像で左大腿骨顆上骨折を認め,シーネ固定で患肢挙上と冷却を行ったが局所腫脹は改善せず,局所穿刺でグラム陽性球菌が検出されたため化膿性骨髄炎と診断し,左大腿外側部から切開排膿術を施行した.病巣部を展開したところ膿が貯留していた部位は骨折部と交通しており,組織学所見は好中球浸潤と析出したフィブリンがあり,培養検査にてMRSAと診断された.創部は開放創とし,塩酸バンコマイシン80mg/日の投与で徐々に解熱し,術後約1ヵ月で創は肉芽により自然閉鎖した.術後4週までは仮骨の異常増大を認めたが,その後消退して疼痛・可動域制限も消失し,術後10ヵ月の現在,再燃は認めていない
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