発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154776
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72歳女.12年前に関節リウマチと診断され,ブシラミンとオキサプロジンによる加療でコントロールは比較的良好であったが,2年前から関節症状が増悪したためプレドニゾロン(PSL)投与5mg/日を開始し,さらに1年4ヵ月後には10mg/日に増量した.今回,関節痛と腰痛が急激に増悪して救急搬送され緊急入院となった.入院時,両手X線像からSteinbrocker分類Stage IIIのリウマチ性変化を認め,トリアムシノロンアセトニド40mg筋注とPSL10mgの点滴投与によっても一時的にしか関節症状は改善せず,多発性神経炎・下腿皮膚潰瘍・指壊疽が出現したため悪性関節リウマチと診断された.その1週間後突然,腹部激痛と筋性防御症状が出現し,胃潰瘍による胃穿孔・汎発性腹膜炎の診断にて緊急広範囲胃切除術が施行された.切除標本の病理組織学的所見では固有筋層と粘膜下層の中・小動脈に高度血管炎所見を認めた.術後はステロイドセミパルス療法(メチルプレドニゾロン500mg/日×3日)施行後,現在はPSL20mg/日で維持療法継続中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005