発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154765
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大腿骨転子部骨折に対して閉鎖的に整復し,hip screwによる内固定を行った症例中で受傷前歩行可能であった30症例を対象に,最小侵襲プレート固定術(MIPO法)施行の15例(男性3例・女性12例,受傷時年齢69~91歳・平均81.4歳)と従来法施行の15例(男性2例・女性13例,62~91歳・77.8歳)の2群間で比較検討した.その結果,術中出血量は両群に差はなく,平均手術時間はMIPO群59.8分・従来法群70.6分で,術中・術後合併症発症例は両群ともなく,術後骨折部の再転移例も両群とも認めなかった.リハビリテーションの進行度ではMIPO群・従来法群それぞれ下肢伸展挙上可能時期は8.4±5.5日・12.4±10.0日,移動が10.8±7.4日・14.6±9.2日,立位11.4±6.9日・16.8±9.7日,杖あるいは歩行器歩行27.4±7.2日・44.6±15.7日といずれもMIPO群が早期に獲得されていた.以上より,MIPO法は本骨折治療において有用な術式であるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005