運動器疾患に対する最小侵襲手術
骨折手術 長管骨 大腿骨転移性骨腫瘍に対する最小侵襲手術としての内固定術の検討
川上 幸雄
1
,
大塚 亮介
1岡山済生会総合病院 整形外科
キーワード:
肝細胞癌
,
内固定法
,
骨折-自然
,
骨ネイル
,
骨板
,
食道腫瘍
,
大腿骨腫瘍
,
大腸腫瘍
,
乳房腫瘍
,
肺腫瘍
,
最小侵襲手術
,
治療成績
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Bone Nails
,
Bone Plates
,
Femoral Neoplasms
,
Esophageal Neoplasms
,
Fracture Fixation, Internal
,
Fractures, Spontaneous
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Lung Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.146-150
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225832
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大腿骨転移性骨腫瘍に対し内固定術を施行した9例(男7例・女2例・平均67.7歳)について報告した。原疾患は肝細胞癌3例、肺癌3例、乳癌、大腸癌、食道癌各1例で、転移部位は転子下8例、骨幹部1例、病的骨折は3例、骨折前状態が6例であった。徳橋の術前重症度判定基準は平均6.3点で、病的骨折を来たしていない症例のMirelsスコアは9.8点であった。内固定に使用したインプラントは髄内釘8例、ロッキングプレート1例であった。術中・術後出血については、輸血を要したのは1例のみであった。術前に腫瘍塞栓術を施行していたのは4例で、術前あるいは術後に放射線照射を行ったのは7例であった。術後疼痛はmild 7例、moderate 2例で、歩行は独歩可能3例、T字杖歩行3例、松葉杖歩行2例、車椅子移動1例であった。生命予後は、6ヵ月生存率77.8%、1年55.6%であった。症例提示は、症例1:50歳女。転倒により大腿骨転子下病的骨折を受傷し、近位骨片が屈曲・外転していたため、内固定術を施行した。術後疼痛は軽減し、松葉杖による部分荷重歩行が可能となった。症例2:30歳男。大腿骨転子部から転子下領域への骨転移による疼痛に対し、内固定術を行った。術後疼痛は消失し、独歩可能となった。術後14ヵ月で原疾患により死亡するまで、インプラントの破綻は認めなかった。症例3:66歳男。大腿骨転子下転移性骨腫瘍に対し、予防的内固定術を行った。
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