発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067164
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人工膝関節全置換術(TKA)を膝蓋骨以外はセメント非使用で施行しており,術後出血対策としてドレーンクランプ法に加え骨切り面にフィブリン糊を塗布し大多数の例で輸血を回避してきた.今回,生物製剤に対する不安と医療費削減を考慮し,フィブリン糊使用の効果について再検討した.著者自身が執刀し一度の駆血時間内で手術を終了した102膝をフィブリン糊非使用群50膝(年齢58~86歳・平均76歳)とフィブリン糊使用の52膝(45~89歳・75歳)の2群間で比較検討した.その結果,年齢・原疾患・総出血量・術前のHb値・輸血の有無について両群間に有意差を認めず,手術時間のみフィブリン糊非使用群が10分短く有意差を認めた.以上より,セメントレスTKA後の出血対策としてのフィブリン糊は不用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004