発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014009500
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抗生物質(AMK)入りセメント人工膝関節全置換術を施行した10例を対象に、ドレーン排液中のAMK濃度および血中AMK濃度を測定し、その感染予防効果について検討した。その結果、術後感染例は認めず、使用AMK量は平均142.0mgであった。ドレーン排液中のAMK濃度は術後1日目で平均11.2μg/ml、術後2日目で平均6.4μg/mlであり、術後7日目の関節液中AMK濃度は測定限界の0.7μg/ml以下であった。同時期の血中AMK濃度を測定した5例では術後1日目、2日目、7日目全て測定限界の0.7μg/ml以下であり、アミノグリコシド系抗生物質に代表的な副作用である第VIII脳神経障害や腎障害を呈した症例もなかった。以上より、AMK入りセメント人工膝関節全置換術の感染予防効果と安全性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2013