発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012048017
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最小侵襲人工膝関節(MIS-TKA)における術者と手術室看護師のラーニングカーブを手術時間から検討した。対象は、過去約1年半にMIS-TKAを施行した185症例213膝(平均年齢71.5歳、男35膝、女178膝)とした。疾患は変形性膝関節症196膝、関節リウマチ13膝、骨壊死4膝であった。術者は執刀が50例以上の術者(A)、30例未満の術者(B)、看護師は経験が30例以上(C)と10例未満(D)に振り分け、AC群25膝、BC群38膝、AD群57膝、BD群93膝の4群の組み合わせとして、各々の手術時間を検討した。その結果、平均手術時間はAC群76.3分、BC群104.9分、AD群88.5分、BD群117.5分で、AC群はBC群、BD群に、BC群はAD群、BD群に、AD群はBD群に対して有意差を認めた。BC群のラーニングカーブ(LC)から習熟した看護師との手術では術者として30例程度必要であり、AD群のLCから習熟した医師と組むことで習熟していない看護師には30例程度必要であることが分かった。また、同様にBD群のLCより習熟していない医師と看護師の手術では50例程度必要であった。平均手術時間は術者、手術助手、看護師の全てが習熟している場合63.6分であった。
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