発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2002188432
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高齢者のColles骨折に対するリン酸カルシウム骨ペースト剤(Biopex)を併用した掌側プレート固定法を経験した.対象は,Colles骨折8例(男性2例,女性6例・平均年齢69歳)であった.骨癒合は全例に得られ,成績も全例excellentであった.また,Biopexの漏出例もなかった.手術方法は,橈骨動脈と橈側手根屈筋腱の間より進入し,方形回内筋を橈骨橈側より反転して骨折部を展開し,整復前に骨欠損部周囲の海綿骨を鋭匙で押しこめ,Biopex注入スペースを作った.遠位骨片の固定に海綿骨スクリューを,内固定に橈骨遠位に合わせて作られたSymmetry plateを使用した.プレート固定後に,骨欠損部の骨髄内の血腫を洗浄してペースト状のBiopexを注入し,方形回内筋を縫合した.術後翌日より手指の自動運動を,1週間の外固定後に手関節の自動運動を開始した.Biopexは麻酔のレベルに関係なく使用可能で,術後の整復位保持も良好であり,掌側プレート法と自家骨移植の代用としてのBiopexの併用は有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2002