発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067146
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過去10年間に経験した化膿性脊髄炎45例中多椎間罹患例は9例(男性7例・女性2例,年齢24~80歳・平均57.1歳)で,その内訳は腰椎隣接2椎間5例・腰椎非連続多椎間が2例(2椎間・3椎間各1例)・胸椎と腰椎の非連続椎間が2例(4椎間・3椎間各1例)であった.多椎間罹患例(A群)と単椎間罹患例(B群)間における病型・基礎疾患・先行感染・麻痺の有無・硬膜外膿瘍の合併・骨破壊程度と治療方法について比較検討した.その結果,病型・麻痺の発生・硬膜外膿瘍の合併には両群間に有意差はなく,先行感染と単純X線像による圓尾分類では椎体型がB群でA群より有意に多く,国分分類ではB群で有意に骨破壊が進行していた.B群で有意に多く手術的治療が選択されており,非連続多椎間罹患例では全例で手術が施行されていた.以上より,隣接椎間へは主病巣の炎症が強い場合に硬膜外膿瘍を介して,非連続椎間では菌血症により動脈系を介して病巣が生ずるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004