発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067145
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2003年までの過去32年間に臼蓋形成不全に対して腸骨片を臼蓋に移植する棚形成術を施行した175例202股中単純X線像で10年以上経過観察をし得た37例45股(男性7股・女性38股,手術時年齢6~54歳・平均29歳,経過観察期間10~30年・17年)の長期成績について検討した.その結果,術前病期は前股関節症33股・初期8股・進行期4股で,最終調査時にはそれぞれ9股(27%)・6股(75%)・3股(75%)に病期の進行(増悪)がみられ,前股関節症の症例が有意に成績が良かった.股関節の状態としては術前のCE角,sharp角および骨頭上方移動度が術後の病期の改善維持あるいは進行に関与しており,手術手技としては棚設置の高さが術後成績に関係することが明らかとなった.骨盤骨切り術など他の術式と比較して侵襲の少ない本術式は,適応を選べば臼蓋不全に対して十分に関節温存の効果があるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004